低水準の利益率
当社は個人投資家に対し、自社の低い利益率を高いと誤認させようとしている疑いがあります。以下は、個人投資家向け説明会にだけ用いられるスライドです。当社は、賃貸事業に特化することで、同業他社よりも高い利益率を実現していると説明しています。なお、賃貸業をメインビジネスとする同業他社名は開示されていませんが、ユニゾHD、平和不動産、ダイビル、テーオーシーの4社(以下「同業賃貸メイン4社」といいます。)だと推定されます。
(出所:個人投資家向け会社説明会資料(2019/11/29))
しかし、当社の売上高の99%超が賃貸事業であるのに対し、同業賃貸メイン4社は賃貸事業(下図■及び■)よりも利益率の低い賃貸以外のビジネス(■)も行っていることから、当社の利益率を比較する場合、賃貸事業(下図■及び■)だけを比較することが正しい比較方法です。そして、この方法で当社と同業他社の利益率の比較をすると、当社の利益率が賃貸事業メインの会社と比較して低くなることは明らかです。
(出所:QUICK Astra Manager)
(補足:各社の■の利益率は全社消去を控除して算定、■は全社消去を無視した場合の利益率、各社の「その他の事業」は控除)
当社の利益率を高いと誤認させる表現方法は、IRとして不適切ではないでしょうか。また、アナリスト説明会資料ではこのような利益率の比較はなく、なぜ個人投資家向け資料にだけ、このような誤解を与える記載をしているのでしょうか。これでは、当社の賃貸事業の利益率が同業他社よりも高いと、個人投資家を誤認させようとしているのではないかと疑われても仕方がないでしょう。 そして、このような誤解を招くIRを行うのではなく、当社の問題に誠実に向き合い、利益率を改善して株主価値向上という取締役の責務を果たしていただきたいと考えます。
(補足:EBITDAマージンは、営業利益に原価償却費を加えた数値を売上高で除した割合、欄外の「会」は当社が開示している数値、「会」がない部分は開示されている数値を基に弊社が算定)
しかし、上記で示した利益率と同様の比較をEBITDAマージンで行うと、下の図のようになり、中期経営計画では、当社の利益率が同業他社に追いつくという目標が示されていることがわかります。
(出所:QUICK Astra Manager)

