旧住友銀行出身者が過半数を占める取締役会と監査役会
三井住友銀行の持株比率は4%に過ぎないにもかかわらず、京阪神ビルの取締役会及び監査役会は旧住友銀行出身者が、その過半を占めています。このような役員会の構成は旧住友銀行出身者が京阪神ビルを私物化している証左だと考えられます。以下は、現在の取締役と監査役の一覧です。旧住友銀行出身者が役員に就任していることが目立ちます。殊に常勤取締役については、5名のうち4名が旧住友銀行出身者となっています。(2020年5月18日追記:今年の株主総会で諮られる会社提案の取締役選任議案が可決される場合、社外取締役は3名から4名に増員されますが、取締役会議長を担当する会長及び代表取締役社長を含む常勤取締役3名中2名が同行出身者となり、執行役員も5名中3名が同行出身者となります。)

当社は、コーポレートガバナンスに関する報告書(以下「CG報告書」といいます。)において、取締役および監査役の選任プロセスとして次のように開示しています。
(出所:2019/12/19付CG報告書、カッコ内は弊社補足)
弊社は、このような記載は不正確であり、常勤取締役は、原則として旧住友銀行出身者を候補として選任しますと実態を正しく記載すべきだと考えます。
なお、2019年6月の株主総会後に任意の指名・報酬委員会の委員5名のうち3名が独立社外取締役となり、このような状況が変わることが期待されます。
しかし、以下のように議決権行使助言会社は反対を推奨しており、コーポレートガバナンスの改善のためには廃止されるべき制度です。
グラスルイス
グラスルイスは、期差任期制度の廃止を推奨する。期差任期制度は、取締役の改選時期をずらし、1回の改選で全ての取締役を変更する事ができない。それゆえ、期差任期制度を導入している取締役会は、その制度を導入していない取締役会より、株主の経営陣に対する、経営結果と説明責任追及の機会を奪ってしまう恐れがある。 さらに、ある実証研究によると、期差任期制度を採用する企業は、企業価値を下げる傾向にあり、さらに、期差任期制度の性質上、買収防衛策としての機能を果たすため、経営者の保身につながる傾向にあるとのことである。また、潜在的投資家の買収意欲をそぎ、買収対象企業の株主還元を減らす恐れがあるともいわれている。
以上より、弊社は、期差任期制度は、企業価値を下げる恐れがあり、さらに、この制度に対して反対を示す株主の増加などを踏まえ、期差任期制度の廃止を推奨する。
(出所:GUIDELINES 6頁)
ISS
取締役の期差任期制の導入 原則として反対を推奨する。
(出所:日本向け議決権行使助言基準 15頁)